新型コロナウイルス(COVID-19)がもたらした東京一極集中の課題と地方移住への可能性

久しぶりの記事になります。
今年は春先にでも佐久へ遊びに行きたいなと考えていましたが、ご存じの通りそれどころではなくなってしまいました
特に私はいま感染者が多い傾向にある首都圏に住んでいますので、しばらくは迷惑をかけないためにも控えなければいけないかなと考えています。

今回の新型コロナウイルス(以下、COVID-19)によって世の中は大きく変わりました。
というより変化せざるを得ない状況になったと言っても過言ではないでしょう。

私はまさに危険地帯とも言える首都圏に住んでいるわけですが、そうは言っても身の回りで陽性者が出たという話は聞きませんし、メディアでの報道や感染者数の動向が示すより現実的な危機感は薄いように感じます。
もちろん楽観視ではなく今後もできること(感染予防対策)はしっかりと行なった上で仕事や日常生活を送っていかなければいけません。

兎にも角にも発生してしまったことは変えられないので、いかに対策を取りつつも前向きな方向に進んでいけるかが重要だと考えています。

こうした状況の中で私自身もそうですが、多くの人、あるいは企業にとっても地方移住に対する考え方・意識が変わったのではないかと感じます。

そこで今回はCOVID-19の影響と地方移住に関する私なりの見解をまとめていきたいと思います。

人口密集がもたらした弊害

恐らく多くの人が当初は「中国で起きている感染症」くらいにしか考えていなかったように思います。
実際にCOVID-19が日本に上陸してしまったのは1月ですが、それでも現実的な危機感や本格的な対策が取られ始めたのは3月下旬から4月に入ってからだったのではないでしょうか。

SARSやMARSが流行したときは日本に上陸しなかったこと、そして日本が島国ということで他国に比べれば感染症が広がりづらい特性があったからではないかと推測しています。

いずれにせよ現実的に上陸して感染が広がってしまいました。
最大の要因はCOVID-19が飛沫や接触など多くの日常生活や仕事において必要な行動に伴って感染してしまうという特性を持っていることではないでしょうか。

東京一極集中

私たちが普段の生活、仕事で何気なくしてきた行動はCOVID-19が起きた状況では危険なこととなってしまいました。
近い距離での会話、ドア・階段・ボタンなど共用部分の接触、多くの人が集まる場所、すべてリスクとなりました。

特に日本の場合はご存知の通り東京都を中心に首都圏で人口が密集しています。いわゆる東京一極集中。
その東京一極集中が社会問題化している点は今に始まったことではありません。
東京に極端に人が集まることで異常なまでの満員電車、交通渋滞、割高な家賃(地代)、待機児童問題、環境問題など多くの課題が発生しました。それと引き換えに多くの人が集まることで都市ができ、仕事ができ、生活圏ができ、経済が回る。こうした恩恵の部分もあります。

そして今回、こうした東京をはじめ人口の多い首都圏、あるいは各地方都市の感染者が多い傾向がハッキリしました。中でも東京都は別格です。
まさにCOVID-19の感染増加は東京一極集中・人口密集がもたらした弊害と言えます。

しかし、誰も責めることはできません。

COVID-19の発生など誰にも予測はできませんでした。

課題が解決しないままウイルスが問題提起

前述の通り、東京一極集中という社会問題が浮き彫りになったのはだいぶ前からです。

私自身も首都圏に住んでいますし、現場で課題解決に取り組まれている方々に対して私は好き放題言っているだけなので恐縮ではありますが、現実的に課題が解決しているとは言えません。

なかなか対策が進まず、結果としてウイルス(COVID-19)が東京一極集中に対して問題提起してきたようにも感じます。

もちろん人口が少なくても感染リスクはあります。東京・首都圏だけが悪いということはありません。

しかし現実的に私たちはウイルスによる問題提起に対して半強制的にでも動き出さざるを得なくなりました。

リモートワークによる働き方改革

起きてしまった以上、対策するしかありません。

人口集中、東京一極集中の問題に対しては従来からリモートワークの推進や、通勤時間帯の混雑(満員電車)を避けるためのいわゆる時差通勤が推奨されていました。
しかし現実的にそれが実現できる会社は少なく、結局は会社に行くしかない、オフィスじゃないと仕事ができない、という状況に変わりなかったように思います。

それが今回のCOVID-19によって半強制的に推進されました。厳密には「そうするしかない」状況となりました。

人々は基本的に変化を嫌うものです。しかし今回ばかりは仕方ありません。

外出自粛となり緊急事態宣言となり、会社には行けなくなりました。自宅で仕事ができる人たちはリモートワークをすることになりました。

リモートワークを体験したことが重要

私自身、COVID-19とは全く関係なく独立してからずっとリモートワークです。
会社員を辞めて独立してから大変なことはたくさんありましたが、今回は影響がほとんどありませんでした。
むしろ仕事的には追い風になる部分もあって恩恵を受けている方です。

私の場合はこうした状況だったのでリモートワークに対しては熟知していますが、それでもやり始めた当初は慣れるのに少し苦労しました。
とはいえ、私は自分の意思で独立してリモートワークになったので文句も何もありませんが、今まで当たり前のように出勤してオフィスがあって自分のデスクやパソコンがあった人からすれば、急なリモートワークは大変なことでしょう。

自宅に仕事部屋や書斎がない人の方が多いと思います。特に単身でバリバリ働いている方は職場が全てであり、自宅は帰って寝るだけといった方も珍しくないでしょう。なんせ都心は土地が狭く、それでいて家賃も高いので自分用の部屋がある、あるいは余剰スペースの確保は大変なことです。

またリモートワークの大前提としてインターネット環境(Wi-Fi)は必須です。今となっては多くの人が自宅でも無制限のネット回線を引いているとは思いますが、中にはポケットWi-Fiだけなど生活には困らないけど仕事で使うには不十分という環境も珍しくはありません。

こうした課題があることも会社に属している以上、自分の意思ではどうすることもできません。
しかし、今回ばかりは会社としても望んだことではないでしょう。会社としてもどうすることもできない、リモートワークにせざるを得ないという誰も責められない状況です。

いずれにせよ半強制的にでも多くの人がリモートワークを経験することになりました。
未だに続いている人、あるいは今回をきっかけに会社としてリモートワーク・テレワークに比重をおいた意思決定をされた会社もあるでしょう。

私はこの傾向を大いに肯定しています。

世の中が大きく動くとき、特にマイナスのことが起きると一時的には苦しいこと、辛いことが多くなります。
しかし必ずそれを乗り越えるために従来よりもよい暮らし、よりよい仕事環境を構築できないかと模索することが重要です。

東京に依存しないビジネスモデル

ここからは仕事の話になりますが、先ほど書いたように、私自身の生活や仕事はおかげさまでそこまで大きな影響や変化はありませんでした。

とはいえ、自分だけが良ければいいわけがありません。
周りの方々、あるいは社会全体が衰退してしまってはお金が回らず、仕事が回りません。

そういった意味で私自身も今まで以上に何かに依存しないビジネスモデルを構築することが重要だと感じました。

私の仕事はいまオンラインでの商品販売(物販事業)とECサイトの構築運営支援をメインにしています。
基本的にはオンラインで完結するビジネスなので直接的な影響は少なかったです。

それでも物販事業はオンラインに出しておけば勝手に売れるような甘い世界ではありません。時にはポップアップストアに出店して販売したり、展示会や交流会に参加するなどオフラインでの活動も重要です。

ECサイトの構築にしても、お客様と契約するために100%オンラインで完結することはありません。
今でこそオンラインだけでやり取りしていますが、以前は定期的にお会いしてミーティングをしますし、また落ち着いたら定期的に会っていくことも惜しみません。

堅苦しいミーティングだけでなく飲み会での何気ない会話から新しいアイデアが生まれることも珍しくありません。

こうしたオフラインの重要性も改めて感じました。

重要なのは場所ではなく人

私がCOVID-19で強く感じたことは、仕事もそうですし生活もそうですが、重要なのは場所ではなく人だということです。

例えば物販の場合、確かに人が集まる首都圏、繁華街で出店したり、宣伝した方が多くの人の目にとまります。メディアに取り上げられるのも大部分は都心や首都圏のお店です。

しかし本当に大事なことは商品を売ること。もっと言えば「使ってもらえる人を探すこと」です。だからこそただ人が多ければ良いという問題ではない
そのことは実際に自分でポップアップストアなどを出店して体験しました。

いくら人通りが多くても、見向きもされなければ売れません。
反対に人通りが少なくても、気が付いてもらい気に入ってもらえれば買ってもらえます。
もっと言えば事前にインターネットを使って告知しておけば、余程のへき地じゃない限り来てもらえる可能性は上がります。

場所ありきではなく、まずは人、そしてやり方、最後に場所ではないかと考えています。

これはどんな商売にも共通するのではないでしょうか。

東京は人が集まっている分だけ仕事も集まっており、お金の流れ・動きも活発です。
しかしそれは東京という場所にいる「人」が行なっていることです。

確かに数字の大小で見れば東京は圧倒的ですが、肝心なのは「自分がどうしたいか」だと考えています。

自分らしく生きるために

私はCOVID-19が発生する以前から地方移住を考えており、今現在もその思いは変わりません。とはいえ仕事や家庭の都合でなかなか動けず、更にCOVID-19によって余計に動けなくなってしまいました。

しかし私はCOVID-19によって、より一層地方移住したいという想いが強くなりました

恐らく今まで地方移住など考えたこともない、あるいは憧れくらいにしか思っていなかった方も、現実的に考え始めるきっかけになった方もいらっしゃることでしょう。

私はすでに満員電車や通勤する生活ではないので、その点は満たされていますが、COVID-19によって通勤しなくてよくなった、リモートワークで自宅から仕事ができるようになったことで「これって東京にいなくてもできるんじゃない?」と感じ始めている人が増えているかもしれません。

闇雲に地方移住するべきと言うわけでは全くないですが、少なくとも東京一極集中の問題がCOVID-19によって明確化されたのは間違いありません。

事実、東京や首都圏以外の感染者数はそこまで多くありません。岩手県にいたっては未だにゼロです。

多くのメディアは東京を中心に取り上げているのでフォーカスされがちですが、地方に住んでいる方からすれば東京ほどの危機感はないのではないでしょうか(もちろん一概には言えませんが)。

東京には東京の魅力もたくさんあるので批判ばかりではありませんが、今回のCOVID-19によって「自分らしく生きていくための場所」を真剣に考えるきっかけになったのは間違いありません。

そして日本全体としても東京一極集中を避け、むしろ日本全国に優秀な企業や人材が散らばり、各地方都市がそれぞれ活発になることこそ今後の少子高齢社会を乗り越えるための得策ではないかと考えています。それが結果として今後も共存し続けなければいけないCOVID-19の対策にもなりますし、今後起こる可能性がある他の感染症対策や地理的なリスクへの分散にもなります。

COVID-19によって大変なこともたくさんありますが、リモートワーク・テレワークの推進や時差通勤、あるいは場所に縛られない生き方、働き方を見つめ直し、それを実行する見えない力になったようにも感じます。

私自身は今回をきっかけに地方移住への想いを強め、地方の活性化に貢献し、それが日本の活性化、あるいは世界への発信になれればと考えています。

微力ではありますが、今後も健康に気をつけながら仕事に精進して、もう少し落ち着いたら一度佐久へ遊びに行きたいものです。

今回は堅苦しい内容になってしまいましたが、大事なことであり自分自身の「今の気持ち」はしっかりと書き留めておきたいと考えて記事にしました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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